「何が俺に届いてねぇんだよ!



試合負けてんのによ。集中しろよな」



と隣にいる望月くんが言ってきた。



「うん……ごめん」



今日の試合もスタメン変更なしと相馬先生から言い渡されて、望月くんはベンチにいる。



もう試合は第3クォーターまで入っていて得点は48-38という大差が出ている。



観客席の応援も最初リードしていた第1クォーターの時と比べて少なくなってきた気がして



ベンチにいるわたしたちもあまり声を掛けられず、負けムードが流れている。



「ここで終わりかよ。



今年は冬の大会予選にも行けねぇじゃん」



「ちょっと!何てこと言ってんの!」



試合中にも関わらず望月くんはボソっとそんなことを言いだした。