空の彼方





翌日。



授業が終わると俺はすぐにサッカー部の部室に足を運んだ。



だけどまだ山下先輩は掃除当番なのか来てないみたいで、部室の前で山下先輩を待っている。



まだ誰もいないグラウンドをボーっと見つめていると



「望月くん?」



と山下先輩に声を掛けられた。



望月くんて、山下先輩俺の名前知ってたの?



俺は思わずびっくりして目を見開いてしまった。



いつもきみってしか言われないし。



「あの、ちょっと昨日のことで話があるんですけど……」



「なに?昨日の言葉でちゃんと目を覚ましてくれた?」



と優しく言う彼はいつもの山下先輩のようだ。