「何のことだ」 「誤魔化さないでっ。昨日だって二階から花瓶が落ちてきたじゃない!」 「あれは事故だろ」 「違うよっ!人影があったもん!」 「まだそんなこと言ってるのか」 まるでわたしが虚言を吐いてるかのように溜め息をつかれる。 だけど嘘じゃない。 誰かが下にいる飛鳥に向けて花瓶を落とした。 当たるように落としたわけじゃない、あれは威嚇。 退院したばかりなのに、また入院する羽目になるのかと思うと目に涙が溜まる。