「清澄兄さんお帰り!!」
「ぐはっ!!」

黒縁メガネの女性の強烈なタックルで思わずその場にしゃがみこんでしまう清澄。その光景を見た凛香は「相変わらずじゃのう(笑)」と思わずクスっと笑ってしまう。

「・・・か・・・香澄(かすみ)ただいま・・・」

苦しみながらゆっくり立ち上がった清澄は、ぽんぽんと香澄の頭を叩く。そして「もう少し“普通のお帰り”が出来ないのですか、あなたは・・・。」と話すのだが・・・。

「うん?これがふつう(笑)」

香澄はニコッとそう答えるのだった。

清澄の妹、香澄。兄弟の中で唯一の女性ではあるが、活発を通り越して凶暴。少年のような明るさも持ち合わせている。

「大王様、奥方様。お久しぶりでございます。」

スーツ姿の男達がその声を聞くなり、さっと道を作るようにサイドに分かれていく。すると、その間を一組の男女が歩みを進め、祇儀達の前でゆっくりと礼をした。
「ただいま、美麗(みれい)」
「久しぶりじゃのう。徳良(とくら)も元気そうじゃな(笑)」
「おかげさまで(笑)美麗様あっての私ですので。」

魔女の美麗とその奴隷的存在のゴーレム,徳良。この島の統治者の美麗は、凛香とは旧知の仲で、ゴーレムの徳良と祇儀、清澄も旧知の仲である。