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それからすぐに、予想通りの人物が、僕の側にどかっと胡座をかいた。
桜は、お茶を持ってくると言って、台所に向かう。
「よう。久しぶりだな、総司」
「……笑ってるのに、鬼の角が生えてるのは変わりませんね」
「はは、減らず口をたたけてるんなら元気な証拠だな」
余裕な笑みを浮かべているこの人が、新撰組の副長の土方歳三だ。
土方さんは口端を上げながら僕を見つめる。
療養のため布団にいる僕を、この人は戦の傍ら気にかけてくれていた。
心が軽くなるのは土方さんのお陰でもある。
子供時代から新選組時代まで、僕の病もまだ見つかっていない頃は、よく土方さんを弄っていたものだった。
そんな過去は懐かしくて、また戻りたいなぁなんて思ってしまう。

