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それから、また暫くの間三人で談笑し、やがて夕方になっていた。
障子の隙間から夕日の光が射し込んでいる。
それに気付いた土方さんは、そろそろ、と言いながら立ち上がり、障子に手をかけ立ち止まった。
ふと何かを思い出したように、背中ごしに聞かれる。
「そういやお前、近藤さんに何か伝言ねぇか?」
「え?」
「近藤さん、長い間忙しくて、なかなかお前に会えなくてよく愚痴をこぼしてた。今日も、忙しくて来れなくてな。だから何か言ってやれよ」
そう言うなり、腕を組んだ土方さん。
その声色はどこか儚しげだった。
この人は、自分の胸の内が複雑な時、必ずと言っていいほど腕を組んでしまうという癖がある。
そういえば……近藤さんから毎月のように届いていた文は、いつの間にか途絶えていて。

