充はそのまま、少々苛立ちながら隆一の返事を待った。
すると、返事が帰って来た。
内容は、林檎が学校に来なくなって既に3日。
親も行方を知らず、昨日遂に警察に捜索願いを出したという。
「だから何だよ。結局コイツも何も知らないんじゃないか」
充はそう言うと、ややおざなりになった。
充はメールが苦手だ。
待っている時間が惜しい。
待ちくたびれた頃にメールが帰って来ても、その内容が自分の好みでなければさようならだ。
だから電話番号を教えるように強要した。
このように充は短気。ただし、同性の場合である。
異性の場合は極端に豆になり、1日に何度もメールをする。
その場合は苛立つ事はない。
要するに充は高校3年であるが子供なのだ。
「お。本当に電話番号送って来たぜ。こりゃコイツは強制退会だな」
といって隆一の電話番号にワンコールし、電話を切った。
充は短気でもあるし、ケチでもあるのだ。

