そして、その女の子が棗の腕を掴んだ 胸がギュッと掴まれたように痛い 無意識に顔が歪んでいく そして、棗がその女の子の方に振り返ろうとした時、彼の目は私を捉えた 目があったのは何日ぶりだろう その瞳は懐かしく、愛おしさがこみ上げてくる 「めい………?」 棗は驚いたように目を見開いて私を見つめる でも次の瞬間、私は入江くんに腕を引かれたことによって棗に背を向けた 棗の顔が私の頭から離れることはなかった