「はぁ、やっぱり吹っ切れてないよな…」

遼は風呂場にむかいながら、

雅のことを考えていた。

雅はあいつらがあんな状態に

なっていることに負い目を感じている。

雅のせいじゃないのに。

確かに雅が死んでからあいつらは

おかしくなっちまったかもしれない。

だけど、雅のおかげであいつが

今も生きている。

雅もあいつを守れたことには

良かったと思ってるんだろう。

しかし、自分が死んだ後のことは

考えてなかったんだろうな。

まさかここまで荒れるとはな。

まあ、普通自分が死んだ時のことを

考える奴なんてそんなにいないだろう?

だから雅のせいじゃないんだ!

そんなに自分を責めないでほしい。

それを見ている俺だってつらいんだ。