愛してる。とか言わないで

泰輔は少し傷ついたような、難しい女だなぁ…とでも言いたそうな顔で私を見た。


「わかった…」



私は去って行く泰輔を見ながら、素直になれない自分のつらさで涙ぐんだ。



素直になっちゃいけないもんね…



この数時間で泰輔にこんなに強く惹かれてしまう自分にも驚くけど…



泰輔の鈍さにも驚く。



あんな優しい人は絶対彼女を裏切れないだろうな…



また顔を見ると忘れられなくなりそうだった。

好きになってもどうしようもない人を、好きにはなれない。



今ならまだ大丈夫。



明後日ぐらいには忘れてるよ。



友達にメールしてカバンを持って来てもらった。