そしてぎゅーと後ろから優しく、晃に抱き締められた。

悲しさが次第に込み上げ、目の赤さは更に増す。


「鈴泣くな
泣かないでくれ
全て俺が悪いんだ…
だから、鈴は自分を責めるな」


「私は、晃が…
晃と離れたくない
ずっとこうしてたい
晃の優しさを肌で感じたい」


何だか不思議な気持ちに陥った。
今日一日だけでいい。
こうしていたい。

お父さんと似た温もりを…


「俺もだ!!
友達にも恋人にもなれない、赤の他人でもいい
だけど、ずっと鈴の傍にいたい」


「なら友達から始めようよ!!」


「ごめん、俺はある人と約束をしてるんだ
その人との約束を破るわけにはいかない」


「そうなんだ…」


「桜が満開に咲いたら、一緒にお花見しに行こう
お弁当は一緒に作ろうな」


「うん、絶対だよ」


「約束だ」