――Ryo side――



やっと、見つけた……。
まさか、真城 颯汰の妹とは思わなかったけど、ね。
やっと……。




「……クッ、ハハハハハッ!」




颯汰が俺の新しい子猫ちゃんを連れて此処から出ていったあと、俺は嬉しくて声をあげて笑った。




「……りょ、諒?」
「おい、大丈夫かよ?」
「総長が壊れた」
「た、大変っす!諒さん、大丈夫っすか?」




俺の幹部たちが様々反応をして俺を見る。




「大丈夫、大丈夫。子猫ちゃんを連れてきてくれたやつにはお礼を言わなきゃだ」



そう、あの子を連れてきてくれた奴にはお礼を言わなくては。
俺と引き合わせてくれたんだから。




「……え、瑚琴ちゃんにまだ手を出すの……?」



さっきの颯汰の威圧にやられたのか祥が不安そうな声を出す。



「当たり前だよ?俺は、あの子猫ちゃんを諦めない」



そう、諦めてなんかやらない。



「おい、女なら他にも探してやるからさあいつは諦めろよ」




あの喧嘩好きな焔までやられたか。
ホントに厄介な男だ。




「俺は、諦めないよ。颯汰を排除してでもあの子猫ちゃんを手に入れる」



そう、子猫ちゃんが悲しんでもだ……。



「総長、あの女に誰を重ねて――っ!?」




――ガンっ!



「黎乃、何か言った?」




近くにあった壁を思いっきり殴って、黎乃の言葉を止めさせる。
笑みを浮かべると黎乃は恐怖を顔に浮かべて黙り込む。




「……諒、わかった。協力するよ」



何かを察してくれたのか祥はお手上げというように俺を見てそう言う。
祥が言うと皆が俺を見てくる。



「みんな、ありがとう」




何がなんでも手に入れる――。




Ryo side end