「いえ…部活はもう決めてます」 もちろんどの部に入るかなど決めていないが、担任の主張を否定するには手っ取り早い口実だから、小さい声でそう返事をする。 「そうなのか。勿体無い気もするが……まあ、いい。次の生徒」 「はい」 その後、特に問題もなく自己紹介という地獄の時間は過ぎ去った。 いや、自己紹介の時間で問題が起こるのもおかしいが。