しかしガッツポーズをしてしまうと違う意味で全校生徒の注目の的(ヘタしたら親たちも)なので、ここはおとなしくしておく。






新入生が椅子に座り、式が進んでいく。

体育館のステージに上がり、話をしている校長は意外にも若々しかった。
40歳前後の外見だ。

『新入生の諸君。入学おめでとうございます。我々は────────』

校長の話をよそに、露草はチラリと左に座っている烏田を見た。



…この人が同じクラスなのか(もうクラス発表されている)……。

誰だったっけ…烏間……?
からす、鴉…カラスでいいか。

カラスに興味を持たれることだけは避けよう。
コイツは異常に目立つ。
こんな目立つ奴と一緒にいたら俺まで目立ってしまう。

そんなことになったらこの変装が水の泡だし、わざわざここに越してきた意味もなくなる。

なるべく地味に、地味〜に過ごすんだ。
いいな、露草。

『───────そして、この学校は他の学校と異なる点がいくつかあります』

校長の声にハッとする。

いったん、校長の話に集中しよう。