偽りの婚約者


家に着き…

『明日の説明するから荷物置いたら俺の部屋に来い』…というわけで、

一応ノックした方がいいかな…

コンコン

「入っていいぞ」

「失礼しまーす」

「とりあえずここ座れ」

「うん」

何言われるんだろ…

「明日のことだが、親父が俺にお見合いさせたい女を連れてくる、あと女の父親も来るって言ってたな…で、お前はとにかく俺の言うことに頷け、動揺とかすんなよ?」

「う、うん…がんばる」

「あ、なら今から言うことに動揺すんなよ?練習だからな」

「流石にそう言われて動揺なんてしないよ!」

ちょっと怒り気味にいうと、賢人はなぜがニヤニヤし始めた

「もうっなんなの!」

「いや、なんでも。じゃいくぞ…俺と結婚してください」

すごく真剣な目…って

「はい⁉︎」

なんで結婚⁉︎

「おいおい、明日大丈夫か?」

「え⁈だって結婚なんて聞いてないよ!」

「思いっきり動揺してんじゃねぇか…」

やれやれ、と溜息をつく賢人

「そんなこといわれても…!」

「あのなぁ…『婚約者』ってことは、この人と結婚しますって言ってるようなもんなんだからな?」

「それは…そうだけど…」

急に言われるとびっくりするよ…

「でも、その赤くなった顔はいいと思うけどな…りんごちゃん♪」

「りっ…⁉︎」

「ぷっ…くくっははははっ今のひでー顔」

そう言って賢人はひーひー言って笑い転げてる

なんか、年上の社長って感じしないな…
同い年の男の子みたい…

ようやく笑いをおさめた賢人が

「ま、なんとかなるだろ…羽花、手出せ」

「こう?」

「違う逆の手」

そう言うとさっきの指輪をはめてくれた

「俺と結婚してくれますか?」

「っ…はい…」

演技だってわかってても…!

「お前耳まで赤いぞ?」

「う、うるさい…」

「ついにりんごじゃなくて猿に進化したか?(笑)」

「なっ、んなわけないでしょ!だいたいりんごから猿に進化するのなんて無理ですから‼︎」

デリカシーないな、まったく!

「腹減ったー、お前飯作れるか?」

腹減ったって…りんごだの猿だの言って明日の説明はどこにいったんだ…まあ、賢人がいいならいいのかな

「もちろん作れるよ、一人暮らしだったし…」

そう言うと、一瞬、賢人が悲しそうな顔をした…ように見えた

けど、もう一度見てみると、いつも通り
…気のせい?

「なにぼーっとしてんだ?さっさとキッチン行くぞ」

「あ、うん…」

・・・・

と、いうわけで
キッチンに来た私と賢人

で、早速賢人が

「今日のメニューは、肉じゃがと豚汁な
」

「え、和食なの?」

「なに不思議そうな顔してんだ…」

「…てっきり洋食かと思って」

「俺は和食が好きなんだ、悪いかよ…」

「いやいや!全然いいよ、和食作るの得意だし」

「おお、いいことだ。じゃこれから2ヶ月間毎日和食三昧か…」

「え…⁉︎毎日和食!⁉︎」

「お前、和食作るの得意なんだろ?ならいいじゃねぇか」

「いいけど…たまには洋食も食べたいかな」

「仕方ねぇな…なら週4回和食、3回洋食、これでどうだ?」

「オッケー!」

「じゃ、お前は肉じゃが、俺は豚汁担当な」

「はーい」

・・・・

「できた〜!」

うん、なかなか上手くできた気がする

「よし、俺も完成したぞ!」

・・・・

「「いただきます」」

もぐもぐもぐもぐ

「肉じゃがなかなか美味いぞ」

「よかった…豚汁も美味しいよ」

「当たり前だ、俺が作ったんだからな」

「なんか賢人、どんどん化けの皮が剥がれてきたね(笑)」

「お前に言われたくねぇよ。昨日会った時はあんなにしおらしかったのに…こんな猿になっちまって…」

「誰が猿ですって⁉︎」

「ほら、キーキーうるさいし」

あからさまに不快そうに耳を塞ぐ賢人

「誰のせいでこうなってると思ってんのさ!」

「誰のせいだろうなー」

なんていって、ニヤニヤしてる

「もう…」

なんか怒る気なくなっちゃった

と、こんな具合で夕食の時間は過ぎて行った…

「「ごちそうさまでした」」

「…食器は食洗機に入れとけ」

「りょうかーい」

「さて、俺はシャワーでも浴びるとするか…お前も今日は明日に備えて早く寝とけよ」

「うん」

いよいよ明日か…

不安を抱きながら、寝る準備を進めた