『どう「そんな事より大変よ!」
どうしたの?と問いかける前に朱里の声で遮られてしまう。
電話口の朱里からは、焦っている様子が伝わるわけで…
あの時以来、朱里から電話をかけてくる事なんてなかった。だから、こうして電話をかけてくるって事は余程の事があったに違いない。
『……ねぇ…どうしたの?』
ただならぬ雰囲気に、携帯を握り締めていた手には、じっとりと嫌な汗をかいていた。
「あなたの彼、交通事故にあったの!」
『…え…悠斗が…?』
「そう、ユウくん。」
…事故…?
その瞬間、全身の血が冷えわたって動悸が高まった。今9時30分だから、きっと噴水公園に向かう途中だったに違いない。
今日、噴水公園で会う約束をしなければ悠斗は事故にあわなかったかもしれないのに…
なんで、公園にしちゃったんだろう。
後悔ばかりが押し寄せた。
「早く一緒に病院行くわよ!もうすぐあんたの家の前に着くから、すぐに出て来て!」
『分かった。今すぐ出る!!』
この時なんで朱里が悠斗の搬送先の病院を知っているのとか、なぜ私が悠斗と付き合っているのを知っているかなんて、考える余裕などなかったんだ。
「お姉ちゃん?」
『リク!戸締りちゃんとしてね!』
「…うん」
私は携帯とお財布を上着のポケットに入れ、玄関を飛び出した。
どうか無事でいて…
悠斗。

