「…リン…」



私が自分の気持ちを伝えた次の瞬間、気付けば温かいぬくもりに包まれていて…



「……やっと…やっと……手に入れた。もう離さない…ずっと俺のそばにいてくれ…」

『…ん』

「…まぁ…嫌だって言っても、俺は絶対にお前を手放さないけどな。」





耳元で囁く甘い言葉に、溢れ出す嬉し涙を抑えることなど出来なかった。





私もずっと悠斗といたい。
この先もずっと…





「リン、愛してる」

『私…も……愛し…てる…』




悠斗の温かいぬくもりの中、溶けるような幸福感を感じた。




















「ま、ま、幕、幕!?幕のスイッチはどれ!幕…幕…幕…幕…どれだ…幕…は…」

「おい、チビ。幕、幕うるせぇ。」

「泣くな伊吹。」

「な、泣いてねぇ…っ!いいんだっ!リンが笑顔なら…俺は…それでっ!いいんだっ!」

「……まぁ…これが一番良かったのかもな」

「…そうだね……………ねぇ、幕のスイッチってもしかしてこれじゃない?」

「お、これか……って隼人…なんかスクリーンが降りてきちゃったんだけど…」

「マジか…」

「てか、あいつらいつまで抱き合ってんだ?」

「さぁ…」





完璧2人の世界へ入っていた私達には、みんな声は届かなかったんだ。



私達のすぐ後ろでスクリーンだって降りてきているのにね。





しかし…







「コホン」