悠斗は、私にそっと近づく。
「…リ…ン…遅れてすまない」
眉尻を下げて悲しそうな顔をしている彼。
その声は震えていて弱々しい。
私はそんな事ないと首を横に振る。
こうやって助けてくれたのは、紛れもなく悠斗なのだから…
少し視線を横に逸らした悠斗は、自分の着ていた制服のブレザーを脱ぎ、羽織らせ起き上がらせてくれた。
そしてそのまま、私の口に貼られたガムテープを剥がし、ロープをほどいていく。
「大、丈夫…か?」
『…ん…あり、がとう…助けてくれて…』
私は自由になった手でボタンを閉めようとしたが、ボタンが吹っ飛んでしまったり、取れかかっていたりとあまり意味がない。
仕方がないのでブラウスを合わせ持つが、その手がブルブル震えた。
…怖かった
「何にも…されてねぇか…?」
『…うん』
悠斗の心配そうな声に小さく頷いた。
もし、悠斗が見つけてくれなかったら?
そう考えるだけで、ゾッとする
『あり「…良かった」
だからもう一度、悠斗にお礼を伝えようとしたのだが、悠斗によって遮られた。
言葉だけではない。
悠斗の温もりとともに…

