怜奈は、悠斗に近づき彼の腕に絡みつく。




「ねぇ、悠斗。どうかしら?」




そんな姿を見ていられなく目を伏せた。
それでも、容赦無く耳に届く悠斗の声。





「……あぁ……似合ってる」

「ありがとう!悠斗も、かっこいいわ!」




聞こえてくる甘い会話に、耳を塞ぎたくなる。





「そうだわ。ねぇ、悠斗?今のうちに写真撮りましょ?花那月さん、悪いけど撮ってもらえるかしら?」




そんな私に気付いたのかは分からないが、こんな事を口にしたのは怜奈で、



視線をあげれば、なんだか楽しげな様子の彼女が自分の携帯を渡してきた。





『あ…はい。』




悠斗と寄り添う笑顔の怜奈。
2人はやっぱりお似合いで、そんな彼らを見るのは辛くて手が少しだけ震えた。



…苦しい…




『…とり、ますね…』

「いいわよ」

『……ハイ…チーズ』





声が震えないように注意しながら、シャッターボタンを押す。




………苦しいよ…




「いい感じだわ。さっそく、待ち受けにしようかしら。」




息もできないような暗い圧迫を胸に受けたのだった。