『おつかれさまでした』


バイトを終え、裏口付近に駐めてある自転車に乗ろうと、自転車の鍵を苦戦しながら差し込んでいると(最近、錆てしまったのか固いんだ)、後ろから、ギュッと抱きしめられたんだ。



「リン…会いたかった」

『…!?』



いきなり現れた人物に驚いたが、この声、誰か分からないはずがない。





私にとって大好きな声だからーー…




『…悠斗……おかえり』

「……ただいま」

『いつ帰ってきたの?』

「さっきだ」




私のお腹に手を回し、かなり密着する悠斗。背中から悠斗の温もりが伝わって、頬が火照り胸が弾む。