「ねぇ、彼女でもないあなたが軽々しく悠斗って呼ばないでくれる?」
『……ご、ごめんなさい』
忌々しそうに妬める目で見てくる玲奈に、気まずく私は視線を彷徨わせた。
「あなたの立場というのを、きちんとよく考える事ね」
そう言って、玲奈は去っていった。
やっぱり悠斗の彼女だったんだ。
私は立っていられなくなり、腰が抜けたようにへたり込んだ。
私が彼女である玲奈を差しおいて、悠斗と仲良くしたから、きっと怒っているんだ。
―――胸が苦しい。息苦しい…
鼻の奥がツーンと痛み、目の縁から涙が染み出てきた。
溢れるようなこの気持ちって…
もしかして…
いや、絶対――…

