「ごめん、ごめんね蒼太」


「わかってくれればいいんだよ」


蒼太はそう言い、あたしの体を抱きしめた。


それはあたしを殴った手と同じものとは思えないくらい、優しくて大きな手だった。


蒼太の手が伸びてきた瞬間、ビクッと身構えてしまったあたしだけれど、その手に包まれているとそんな恐怖も消えてなくなって行く。


「今日はもうどこにも行かないんだろ?」


「もちろんだよ、蒼太……」


頬はまだヒリヒリと痛むのに、あたしは蒼太の胸に顔をうずめたのだった。