まさかあたしたちがここを訪れるなんて、想像もしていなかったのだろう。


「良子さん、ちょっと聞きたいことがあるんです」


「なによ改まって」


あたしが真剣な表情になったため、良子さんも真剣な表情になる。


「まぁ、とにかく家にあがりなよ。飲み物くらい出すからさ」


「ありがとうございます」


すべてを順序だてて話すには時間がかかる。


あたしと実紗は良子さんの言葉に甘え、家にあがることにした。