「も、もういいでしょ⁉︎早く出て行ってよ‼︎」
「却下。見てる」
「お、おかしいわよ⁉︎アンタ」
「つべこべ言ってねぇで、早く着替えろよ。んで、俺のこと元気にしてみ?」

なっ…‼︎なんちゅー、ハレンチな言葉を使ってるのよ、コイツは‼︎

「やっぱり、アンタはケダモノね。もう碧都なんて呼んであげないから」

ふんっ‼︎これでどうよ?少しは心に響…って、どうしてそんな悲しい顔してるのよ‼︎

壁に寄りかかってた碧都が、ゆっくりとわたしの元へ歩いてきた。

え、なに。怖い、んだけど…‼︎

そして、わたしの前まで来ると右手でゆっくり、肩まで伸びたストレートの髪をオトコの指とは思えないくらいキレイな手でススッと梳かした。

やっだ…。なにいってるの⁉︎わたしの心臓、とまれ‼︎

って、とまったら死んじゃうんだけど‼︎

違う違う、そうじゃなくって‼︎髪を撫でられた瞬間、わたしの心の臓が早くなったの‼︎

これはなに⁉︎なんなのよ⁉︎ヤマネコ尚樹とはまた違う感じ。

むしろこっちのほうが、ドキドキ、ううん。バクバクしてる…。

どうしていいか分からず、ただジッと碧都と見つめ合うこと数十秒。ようやく、碧都の口が開いた。