年下オトコたちの誘惑【完】

「まぁ、ええわ。とりあえず、ボクら4人は君に興味があんねん。それだけでも覚えとってな?」
「え、あ、はぁ…」

そんなストレートに言われたら、どうしていいか分からなくなるよ…‼︎

『わたしを落としてみなさい‼︎』なんて、冗談でも言えないし…。

『やっだぁ‼︎みんな、わたしのこの美しさに惚れちゃったのねぇ‼︎』なーんて、言えるわけもないし…。

みんな目に悪いものでも、食べちゃったのだろうか。

「そんで、名前や‼︎」
「え?」
「そろそろ名前教えてくれへんかぁ?」

楓くんに言われ思い出した。名前言おうとして、ゴタゴタに話がズレたんだった。

「あ、はい。えと、杏。三浦杏(みうらあん)です」
「杏ちゃんかぁ‼︎可愛い名前やなぁ」
「か、可愛いかな…?ありがとう…」

自分の名前を褒められるのは、とても嬉しい。特にわたしの場合、自分の名前が好きじゃないから…。

「杏ちゃんかぁ‼︎お姉さん自身も可愛いけど、お名前も可愛いなぁ‼︎」

ワンコロ眞一郎は、ほんとに人懐こいなぁ。恋愛対象にはならないけど、こういう子がいると安らぐ。

「ありがとう、眞一郎」
「わっ‼︎名前で呼んでくれるのっ⁉︎」
「あ、迷惑だった…?ワンコロに…」
「ううん‼︎とーっても嬉しいよ‼︎ありがとう、杏ちゃん‼︎」

迷惑なら、『ワンコロ』って呼ぼうと思ったんだけど、それをかき消すくらい大きな声で眞一郎は、とびっきりの笑顔を見せてくれた。