年下オトコたちの誘惑【完】

「えーっ⁉︎なにそれー‼︎楓くん、ずるいよー‼︎ボクだって、お姉さんのこと好きなんだからー‼︎楓くんには、渡さないもん‼︎」
「ホンマかっ⁉︎シンちゃんも、この子好きなんか‼︎これは参ったなぁ。あ、なーちゃんもってことはないよな?」

…話が付いていけないんだけど。これって、いわゆる逆ハーってやつだよね…?

よく、漫画とかで読んで『逆ハーとか、たまんないっ‼︎わたしもこの主人公になりたい‼︎』って思ってたけど、いざ自分がその立場になると、なんとも言えない…。

って、“なーちゃん”っていうのは…。もう一人しか、いないよね…。

そう思いながらチラッと、ヤマネコ尚樹を見たらバチッと目が合ってしまった。

「さぁ。どうだろ」

わたしの目を見ながら、フと笑ったヤマネコ尚樹。その笑みが、とてつもなく胸にきてしまったから、さぁ大変‼︎

これは、何かの間違い、気のせい、きっと気のせい。そう自分に言い聞かせる。

「なんやー‼︎なーちゃんも気になっとるんかいな‼︎これはウカウカしてられへんな‼︎」

へっ?いや、なーちゃんは気になってるなんて一言も言ってないですよー⁉︎

やめてよ、変なこと言わないで⁉︎わたし今、なーちゃんの笑みに“キュン”ってなってパニック起こしてんだから‼︎

そんなこと言われたら、ますます意識しちゃうからー‼︎