年下オトコたちの誘惑【完】

「あれぇ?あかんかなぁ?ボク的には完璧やと思ったんやけどなぁ」

完璧…?え、この関西弁が…?ウソでしょ⁉︎なんにも知らないわたしが、変って思ったんだから。関西の方が聞いたら怒るよ、これ…。

「ふ、普通に喋れないんですか…?」
「普通に?喋れるよ、ほら」
「ほんとだ。普通のほうがいいと思いますけど…」
「ホンマに⁉︎あ、ほんとに?んー、でも関西弁喋ったほうが、オンナノコにモテるねんなぁ」

ほら、また変だって‼︎わかんないけど、絶対おかしいって‼︎普通に喋った方がイイと思うんだけどな。やっぱりモテる為なら、使えない方言も使わなきゃいけないのかなぁ?

確かに、方言いいけどさぁ。でも結局は、人間中身だと思うんだけどなぁ。

「おい。準備始めんぞ。人前でイチャイチャすんじゃねぇよ」

は?ケダモノ碧都は、何を言ってるの?どこをどう見たら、イチャイチャしてるって思うのよ。めっちゃ、不機嫌っぽい顔してるし‼︎

「あぁ、そうだな。そろそろ準備するか。誰かが不機嫌だしな」
「うん‼︎しようしよう‼︎八つ当たり怖いもんね‼︎」

ヤマネコ尚樹とワンコロ眞一郎は、ウンウンと頷くも、どこかトゲがあるような言い方な気がするのは、気のせいかしら…?

「なぁ、その前に。君、名前は?」
「えっ?」

そういえば、わたし誰にも名乗ってないんだった。楓くん、そっとしといてくれても、よかったのにぁ…。