「まぁ、細かいことは気にすんなって」
「気にするわよ‼︎」
「そうかぁ。俺のことが、そんなに気になるのかぁ。抱いてやろうか?」
「どうして、そういう解釈になるのよ‼︎」

あー、ダメ。無理。コイツとマジメに話そうと思ったら、こっちがやられちゃうわ。

そう思って諦めかけた時だった。

「あおちゃんね、喰べちゃったの」
「え?」

ドアが開いたところに、ワンコロ眞一郎とヤマネコ尚樹が立っていた。そして、ワンコロ眞一郎の言葉に、わたしは首を傾げた。

「おい、眞一郎…」
「だからぁ、喰べちゃったんだってばぁ」

ライオン碧都が何かを言おうとしたらしいが、関係なくワンコロ眞一郎の声によって消された。

喰べちゃった…?え、なにが…?え、どういうこと…?

「要は、今日から来るはずだったオンナを味見したってこと。これで分かったか?」

え?味見…?喰べた…?今日から来るはずだったオンナノコ、を…?

「って、えぇぇっ⁉︎」

ちょっと待ってよ…。喰べたって、そういうことなのっ⁉︎意味が分かって、わたしは素早くライオン碧都から離れた。

「あのなぁ、お前みたいな、ばばぁは喰うわけねぇだろうが」
「ちょっ…。それ、どういう意味よ‼︎」
「なんだよ、そんなに俺に喰われたいわけ?」
「そんなこと、一言も言ってないでしょー‼︎」

信じらんない…。味見とか、喰べるとか…。ほんと、ケダモノだわ。“ライオン碧都”を卒業させて“ケダモノ碧都”にしようかしら…。