「ぶっ‼︎おもしれぇオンナ」
「あ‼︎また、からかったでしょ⁉︎」
「マヌケな、お前が悪い」

ムキーッ‼︎なんなんだ、コイツぅ‼︎やっぱり腹立つぅ‼︎まだ肩震わせて笑ってるしー‼︎笑すぎなんだよ‼︎

「ほら、これ着ろよ」
「は?」

ライオン碧都から何かを手渡された。受け取ってしまったけど、これはなんだろう。

「聞こえなかったのか?これを着ろつったんだよ」
「いや、それは聞こえたけど、どうしてわたしが着なきゃいけないわけ?」

わたしだって、耳が遠いわけじゃないわよ‼︎ちゃんと聞こえてますー‼︎

「お前が、ここで働くから」
「はい?なに言ってんの?わたし、働くなんて言った⁉︎」
「いんや、言ってねぇな。だって俺が決めたんだし?」
「いや、ちょ、意味わかんないから‼︎」

なに、勝手に決めてくれちゃってるのよ‼︎ほんと、自分勝手すぎなんだから。

「いいから着れよ」
「やだ」
「ふーん。逆らうんだ?俺の命令」

うっ…。何か怖い…。今、背中がゾクッ‼︎ってしたよ…。目を細めて、わたしを見つめるライオンオトコ。片眉も上がっちゃってるよ‼︎

「だっ、だって‼︎わたし、ずっと事務の仕事してたし⁉︎接客なんて、やったことないもの‼︎ほら、使い物にならないでしょ⁉︎ねっ⁉︎」

これは、ほんと。大学を卒業して、すぐに事務の仕事に就いた。それからずっと辞めるまで事務だったんだから。

笑顔なんて作れないし、なにをどうしたらいいか分からないものっ。