年下オトコたちの誘惑【完】

「浴衣着てたからさ、浴衣=脱がせてもいい、だろ?」
「はぁ⁉︎誰が決めたのよ、そんなこと‼︎」
「世のオトコ全員」
「バッカじゃないの⁉︎」

ホント、オトコの頭の中って単純すぎる…。バカとしか、言いようがない。

「でもよ、一応外だし?脱がせちゃマズイと思ったから、見えないように足元から手だけ入れて。まぁ、痴漢ゴッコみたいな?」
「あ、今ので思い出した…」

そうだ、そういえばそんなバカップルが、目の前にいた。

「俺に怒ったの、思い出したか?」
「えぇ、たった今。全部思い出したわ」

三年前のあの日、わたしは悠ちゃんと花火大会に行く約束をしてて。

『花火、楽しみー‼︎』
『だな。でも、あまりはしゃぐなよ?転ぶから』
『ひっどー‼︎わたし、そんなにドジじゃないですぅ‼︎』

そんな会話をしながら、会場に着いた。花火が上がる前から、わたしたちの目の前にはイチャイチャするカップルがいて、少々目についたけど気にしないことにした。

けれど、どんどん行為がオープンになってきてて、最初は腰に手を回すだとか、顔を近付けるとかだったのに、キスをし始めて、しかもガッツリと濃厚な。

そのうち、なにを思ったのかオンナの浴衣の足元から手を入れ、花火なんてまったく見てもいなかった。