年下オトコたちの誘惑【完】

「引いた…?」
「いや、全然。むしろ、杏の母親に感謝だな」
「ど、うして…⁉︎」

ある程度話終わって、碧都を見ると鼻で笑った。

「だって、そのおかげで俺らは出会ったろ?」
「そう、だけど…。でもっ‼︎」
「まぁ、その前から俺ら出会ってたんだけどな?」
「え…?」

寝っ転がってたのに、一気に飛び起きた。

碧都の言ってる意味が、わからなかった。その前から、出会ってる…?

誰と誰が…?わたしと碧都が…?

「ぶっ、変な顔」
「わ、笑わないでよ‼︎碧都が変なこと言うからでしょ⁉︎」

思い切り吹き出した碧都。そりゃ、『出会ってる』なんて聞いたら、誰だって驚くじゃない‼︎

「あー、悪りぃ悪りぃ」
「ホントに悪いって思ってないでしょ?」
「あぁ、かもな」

ムッキー‼︎そうやって、わたしのこと、からかって‼︎

「もう、いい。疲れたから、寝る」

碧都に背を向け、またゴロンと転がった。

「杏、悪かったってー。怒んなよ」
「怒ってないので、気にしないください」
「エッチした仲だろー?」

碧都の言葉にムクッと、起き上がった。

「へぇ。エッチしたら、ウソついてもいいんだ?なんでもアリなんだ?」
「おい、ちょっと待て。誰もウソだなんて言ってねぇだろ?出会ってるのは、ホントだっつーの」
「ふんっ、どーだか」

あっという間に、いつものわたしたちに戻った。

あの甘い時間は、なんだったのだろうか…。まぼろし、だったかな…。