「でも、俺。三浦さんタイプ」
「……っ、そういうこと。みんなに言ってますよね⁉︎」
「さすがに、そんなチャラくないよ。もう40だし?」

クスッと笑う真哉。その顔に引き込まれる。そして、真哉が真顔になった時…。

自然とクチビルが、重なっていた。周りに客がいたって、気にならないくらい二人の世界に入っていた。

お互いなにか惹かれるものがあった。と、思う。

決して遊びじゃなくて。真哉も、わたしに惹かれるものがあったと、信じたい。

年の差は気になったけど、惹かれてしまったものは仕方ない。

好きになっちゃったんだもん。

職場には、婚約してから付き合ってたことを伝えた。

婚約をしたのは、一年前。付き合った記念日の日に、高そうなホテルで食事をして。

そのまま、そこのホテルで一泊する日の夜。

ベッドの上で急に正座するから、こっちも慌てて正座をした。

「杏と、これからもずっと一緒にいたいんだ。結婚してほしい」

ストレートなプロポーズだった。もちろん、わたしの答えはイエス。

その夜は、何度も何度も愛し合った。幸せすぎて、泣いたわたしに目元にキスをしてくれた真哉。

これが崩れるなんて、これっぽっちも思っていなかった。