「ホントに?」
「はいっ。歌うまい人って、好きです‼︎」
「それって、遠回しに俺に告白してる?」
「へっ⁉︎」

クスッと笑った真哉は、オトナの色気があって急速に、わたしの胸の奥がドキドキしていった。

「二人で抜け出そうか?」
「え、でも…」
「大丈夫、俺に任せて」

まだ二次会に来て、そんなに時間は経っていないのに。

そんなことが可能なんだろうか。そんな心配をよそに、真哉は口を開いた。

「ごめん、みんな。まだ仕事残ってたんだよね…。申し訳ないんだけど、会社に戻らないと」

仕事なら仕方ない。と、みんな納得したようだった。

わたしは、どうしたらいいのだろうとチラッと見ると。

「あれ、三浦さん大丈夫?かなり飲んだでしょ?タクシー捕まえてあげるから、一緒に出ようか?」

オトナのワザが、すごかった…。わたしは、ただただ頷くだけ。

「ははっ、うまくいったね?」
「バレたら、どうするんですか‼︎」
「バレてないんだから、結果オーライでしょ?」

そのまま、真哉に連れられてきたのは、オトナムンムンのカウンターBARだった。

「女性と、いつもこういうとこ来るんですか?」
「さぁ、どうだろ?」

わたしの問いかけに真哉は、はぐらかした。