『んー?どうしたの?』
『あれは、マジギレ…?』

また、ワンコロ眞一郎と小声で話す。

『ううん、あれはジャレてるだけ』
『じゃ…っ』

ワンコロ眞一郎は、ニコリと笑って首を横に振った。あれが、ジャレてるの…?どう見ても、わたしにはキレてるようにしか見えないんだけど…。だって…。

「スネんな、つったんだよ」
「いつ俺がスネたんだよ‼︎」
「今だろ」

ほら、これ…。これが、ジャレてるように見える?わたしには全然、見えないんだけどな…。

「はいはい、二人とも‼︎それくらいにして、早く準備しようよー」

“パンパン”と二回叩き、ワンコロ眞一郎が二人を黙らせた。

「おい、お前」
「わ、わたしっ⁉︎」

ギロリと、ライオン碧都に睨まれ背筋をピンと伸ばした。って、わたしのほうが年上なのに‼︎もっと、堂々としてなさいよね‼︎

「こっち来い」

なに、この俺様。“こっち来い”だってー。ふんっ、誰が行ってやるか。“ベー”と、背中に向かってあっかんべーをすると、クルリとこっちを向いた。

「早く来ねぇと、犯すぞ」
「や、やだなぁ‼︎今、行くとこだったじゃないのよぉ」

怖い怖い‼︎アイツなら、やりかねない‼︎慌てて返事を返すと、ライオン碧都の後を追った。