「ほら、特製カルボナーラ作ったから食えよ」
「あっ、うん。ありがとう」

わたしのテーブルの上に置かれた、碧都の特製カルボナーラ。

「あ、じゃぁ。杏ちゃん、またね」
「あっ、はい‼︎」

わたしがこれから食事をするからなのか、碧都が原因なのかは分からないけど、彼らは自分たちの席へと戻って行った。

わたしも席へ着くと、碧都もとなりの席に腰を下ろした。

「碧都、すごいね‼︎カルボナーラだよ‼︎」

見た目も、わたし好み。分厚いベーコンに、コッテリソースが絡んでて、チーズもたくさんのっかって。

見てるだけで、ヨダレがたれてきちゃうほど。

「そんなお前は、オトコと会話か?」
「オトコって…‼︎」

ただのお客さんじゃないのよ‼︎

「そんな、怒るなよ」
「怒ってません‼︎」

碧都はテーブルに肘をつけ、手のひらにアゴをのせ、こちらを見た。

「だって、仕方ないだろ」
「なにが仕方ないのよ」
「だって杏、最初は俺のこと見てたのに、途中から全然だったし」

え…?最初は見てた…?

「え、ちょ、気付いてたの…⁉︎」
「そりゃ気付くだろ。あんだけ見てれば」

なっ、なっ、なんてこと…‼︎まさか、気付かれてたなんて…。恥ずかしすぎんでしょ…。