パタン、とドアが閉まりそのままズルズルと崩れ落ちた。
正確には、泣き崩れたんだけど。
「……っ、うぁぁ…‼︎」
久しぶりに、声を上げて泣いた。ムコウには、聞こえないように。
しゃくりあげてると、だんだんと息ができなくなってきて、自分を落ち着かせようと深呼吸を数回、繰り返した。
そんな時、自分の鞄から大好きなアーティストの曲の着信音が鳴った。
表示されてる名前を確認すると、わたしの小さい時からの幼なじみからだった。
「も、しもし…」
『あ。杏、また泣いてるな?』
「悠ちゃん…だって、だって…」
『はいはい。今どこにいるの?』
悠ちゃんこと、柏木悠太(かしわぎゆうた)は、いつだってわたしが泣いてたり、落ち込んでたりすると、察して電話をくれたり、家に来てくれる。
「あのね、今ね、海の家で働いてるの…」
『ふぅん。そこで何かあったってわけ、か』
「……うん、悠ちゃん。わたし、気になる人ができたんだ」
一瞬だけ、電話のムコウが静かになった。でもすぐに、悠ちゃんの声が聞こえた。
『そう、そういうことね。分かったよ。今からお兄さんが話聞きに行ってあげるから、妹ちゃんは待っていなさい?』
「え、でも…」
『大事な妹なんだから、杏は。お兄さんが、放っておくはずがないだろ?』
悠ちゃんは、いつだってわたしを助けてくれる。
悠ちゃんに場所を伝えると、『杏の家の近くだろ?』と、すぐに理解してくれ、電話を切った。
正確には、泣き崩れたんだけど。
「……っ、うぁぁ…‼︎」
久しぶりに、声を上げて泣いた。ムコウには、聞こえないように。
しゃくりあげてると、だんだんと息ができなくなってきて、自分を落ち着かせようと深呼吸を数回、繰り返した。
そんな時、自分の鞄から大好きなアーティストの曲の着信音が鳴った。
表示されてる名前を確認すると、わたしの小さい時からの幼なじみからだった。
「も、しもし…」
『あ。杏、また泣いてるな?』
「悠ちゃん…だって、だって…」
『はいはい。今どこにいるの?』
悠ちゃんこと、柏木悠太(かしわぎゆうた)は、いつだってわたしが泣いてたり、落ち込んでたりすると、察して電話をくれたり、家に来てくれる。
「あのね、今ね、海の家で働いてるの…」
『ふぅん。そこで何かあったってわけ、か』
「……うん、悠ちゃん。わたし、気になる人ができたんだ」
一瞬だけ、電話のムコウが静かになった。でもすぐに、悠ちゃんの声が聞こえた。
『そう、そういうことね。分かったよ。今からお兄さんが話聞きに行ってあげるから、妹ちゃんは待っていなさい?』
「え、でも…」
『大事な妹なんだから、杏は。お兄さんが、放っておくはずがないだろ?』
悠ちゃんは、いつだってわたしを助けてくれる。
悠ちゃんに場所を伝えると、『杏の家の近くだろ?』と、すぐに理解してくれ、電話を切った。

