『行くぞ』と言われ連れて来られたのは、皆さんご存知例の部屋。

碧都は大股でスタスタ歩くと、ベッドにドカリと座った。

そしてまだドア付近にいたわたしを、チラリと見て『こっち来いよ』と言った。

「…うん」

碧都の言葉にやっと歩き出したわたしは、ゆっくりと碧都の近くまで歩いた。

「となり、座れば」
「あ、うん…」

碧都の手がポンとベッドを叩き、わたしは人一人座れる分を開けて座った。

「なんでそこ座んの」
「えっ」
「警戒してんの」
「べ、別にそういうわけじゃないけど…」

チラチラと、その開いた間を見て考える。これは、詰めるべきなの…?

詰めるにしても、どこまで詰めればいいの…?

色んな葛藤の末、思い切って詰めることにした。

えぇっい…‼︎‼︎

心の声は、そんな声だったと思う。

「なに、誘ってんの」
「えぇっ⁉︎どうして、そう…‼︎あ…」

何が起きたかって?今度は、ビッタリくっ付いちゃったから…。

だって勢い良く隣に座ったから…。そこまでの距離感、掴んでなかったんだから、しょうがないじゃないっ。

「いいよ、そのままココにいろよ」

離れようとしたわたしの腕に碧都は手を置くと、命令系でわたしを動けなくさせた。