「俺だって、このタイミングで言うつもりじゃなかった。けど、モタモタしてたらアイツらに持ってかれるって正直、焦った」
「碧都でも焦るんだね。もっと自信満々なのかと思ってた」
「お前は、別。別なんだよ。お前だけは、絶対…」

ここまで言われて嬉しくないオンナなんて、いないはず。

目を合わせてくれなかったのも、きっと碧都なりの思いがあったんでしょ?

「碧都…。ありがとう。人生でココまで言ってくれる人なんて、そんなにいないと思うの。だからわたしは、スゴく幸せなオンナだな、って思うよ」

だから、このまま自分の気持ちに素直になって、告白を受けたらイイ。

碧都のこと、まだちゃんと理解しきれてない部分はあるけど、そこは少しずつ理解していけばイイ。

あの三人だって、わたしたちが付き合うことになっても、笑顔で『おめでとう‼︎』って言ってくれるはず。

「じゃぁ、」
「でも、碧都の思いは受け取れない」
「ちょ、待てよ。なんだよ、それ…」

ごめんね、碧都。碧都にここまで言わせておいて、自分だけ逃げるなんて卑怯だよね…。

「碧都はさ、もっと若いコと付き合うべきだよ」
「年なんか関係ねぇだろ‼︎」
「うん、それはそうなんだけどね?でも、わたしじゃなくても碧都ならいくらでも、イイヒトがいるよ。ほら、若い時ってどうしても年上が良く見えるじゃない?それと同じ、」
「だからっ‼︎杏は別だ、って言ってんだろうが‼︎」

ねぇ、碧都。どうしてそこまでわたしのこと、思ってくれてるの?

わたしたち、出会ったばかりだよね?ちが、うの…?