年下オトコたちの誘惑【完】

「碧都、ありがと。ね、みんな。わたしホントに大丈夫だから」

最初は渋い顔をしていた三人も、やっと分かってくれたみたいで。

連絡先を交換するということで、納得してもらった。

「足音したら、すぐ連絡すれよ?」
「ボク、杏ちゃんの声なら聞こえるから‼︎大声出してね‼︎」
「家に着いたら必ず連絡する‼︎絶対や‼︎」

店から出る時、三人に立て続けに言われた言葉。

わたし、みんなより年上だよね…?過保護すぎやしませんか…?

三人の言葉に思わず、苦笑いして。小さく手を振って、家方向へと向かった。

碧都は、最後まで目を合わせてくれなかった。

カウンターから、出てこなかったし。なんなら、あの女性と話してたし。

「はぁぁ…」

店が見えなくなって、深く溜め息を吐いた。

だって三人とも、ずっと見てるんだもん。でも、それだけ心配してくれてるんだよね。

あんなイケメンたちに、見送られて。これを悩みにしてちゃ、罰が当たりそ。

「…って、アレ。コッチで、合ってるよ、ね…?」

やだっ、暗くてわかんない‼︎なにやってんだろ、わたし…。

大丈夫、とか言っときながら全然大丈夫じゃないじゃない。

「はぁぁ…」

二回目の深い溜め息を吐くと、目線の先になぜか一つだけ、ブロック石が転がっていた。

「とりあえず、座ろかな…」

ちょっと、一休みして。落ち着かせようか。