年下オトコたちの誘惑【完】

「尚樹も眞一郎も楓も、ありがと。でも、わたし一人で大丈夫だから。気持ちだけ、もらうね」

ここへの道は何となく覚えたし。多分、家まで15分あれば着くし。

何よりも、今は一人になりたかった。

「なに言ってんの。杏は、オンナだよ?そこ分かってんの?」
「そうだよ‼︎何かあったら、どうするの‼︎」
「せやせや‼︎何かあってからじゃ、遅いんや‼︎」

困ったな…。みんな、どうしたら分かってくれるかな…。

「うん、分かってる。分かってるけど、今日だけはお願い。一人で帰りたいの」

三人には、ストレートに言ったほうが理解してくれそうで。

素直な気持ちを伝えると、三人は考える仕草をした。

「でもなぁ、夜だからな…」
「何かあったら、電話してもらうしかないんじゃない?」
「何かあってからじゃ、遅いやろ」

やっぱり一人で帰ることは難しいんだろうか…。

「なぁ。一人で帰りたい、つってんだろ。帰せばイイだろうがよ」

ずっと黙っていた碧都。やっと喋ったと思えば、『一人で帰せばイイ』だって。

わたしが、望んだことだけどさ。ぶった切られると、それはそれで傷付く…。

なんて、わたしってワガママすぎだね。