「あー、ホンマやね。えぇよ、外で待ってるから終わったらおいで」
「うん、ありがとう」

楓は、ニッと笑うと向こうに続くドアを開けた。

そして、首だけを動かしコチラを見た。

「脱がすの手伝おうか?」
「ばっ、バカじゃないの⁉︎そういうの、いらないからっ‼︎」

やっぱり楓は、チャラ男だ。

「えー?脱がすの得意なんやけどなぁ。脱がし方うまいで?」
「だっ、だから‼︎」
「あー、すまんすまん。ホンマ時間ないから、外行っとるな」

な、なんなのよ…アレ。なんかマジメに答えてたのが、バカみたいじゃないっ。

でも楓が言うように、時間ないみたいだし急がなきゃっ。

わたしは手早く水着を脱ぎ捨てると、私服に着替えた。

縛ってたポニーテールも下ろして、みんなのところへ急ぐ。

「遅くなってごめ、ん、ね…?」

って、アレ?誰もいない…?というか、楓しかいない…?

「あー、あーちゃんならココにいないで?」

え、いや。碧都だけじゃなく、尚樹も眞一郎もいませんけど?

「てか、杏ちゃん。ポニーテールもいいけど、下ろした髪もエエね」
「あ、ありがと」

何かこんなイケメンに褒められると、嬉しいかも…。

もう、みんないないけど、どうでもいいや。単純なわたし。

「うん、上で鳴かせたくなる」
「は?う、え…?」

それって、どういう…。わたしの頭が“ハテナ”で、いっぱいだった中、ニタリと楓が笑った。

「せやから、“ボクの上で”ってことや。杏ちゃん、どんな表情になるんやろ。想像、」
「しないでよ‼︎んもうっ‼︎ヘンタイ‼︎チャラ男‼︎」

あー、もう‼︎素直に喜んだ時間を返してよね‼︎