少女が知っているのはおかしいはずなのに。

ありえないことだと思うのが普通なのに。




――どうして、なんだろう。


知っているのが当たり前だと感じているのは。





少女は、そんな僕を見ながらも。


態度を全く変えずに、僕の答えを知るべく、じっと、僕の瞳を見つめている。



レイラ。


僕の、僕の愛おしい・・・・・・恋人。


『ねぇ、ロウ。私はね、』



笑顔が浮かんだ。


レイラの、可憐な、笑顔。

完全無敵な、あの人。






『あなたが嬉しいと、あなたの何百倍も嬉しくなるの。』





僕は、静かに頷いた。


逢いたい、逢いたい。

もう一度。


逢って、言いたいことがある。

話したいことがある。

・・・聞きたいことがある。