恥ずかしいと言えば……


「新藤さん。私、昨夜の事は途中から記憶がないんです……」

「ああ、そうだろうね。どの辺りからかな?」

「二次会の辺りから記憶が曖昧で、その後新藤さんとどこかへ行ったような気はするんですが、どこへ行ったのかはさっぱりで、どうして新藤さんの家に泊まってしまったのか分からないんです」

「なるほどね。じゃあ、教えてあげようか?」

「はい、お願いします」


私は新藤さんにペコっと頭を下げた。

私と新藤さんは肩を並べて歩きながら話している。前方には、大きな駅ビルが見えてきていた。


昨夜の事で私が一番気になるのは、ズバリ新藤さんとエッチをしたのかどうかだ。もししてしまったとしても、私にはそれを後悔する気持ちはない。

むしろ、彼と深い関係になる事は、私の望みでさえある。私は一目見た時から新藤さんに惹かれている。彼に結婚歴があり、まみちゃんという娘がいると知っても、この気持ちは微塵も変わらない。

それどころか、新藤さんの助けになり、まみちゃんの母親代わりにぜひなりたい、とさえ思っている。