「ごめん。嫌な話を聞かせてしまって……」


私は“ううん”という意味で顔を横にふった。


「滅多に他人に話さないんだが、君には言っておきたかったんだ」


それはどう受け取ればいいんだろう。私は新藤さんにとって特別な存在、なんて、自惚れてもいいのかしら……


そのおかげかどうかは分からないけど涙は止まり、私は新藤さんから離れた。

由梨さんの話はもうお終いみたいだけど、私にはひとつだけとても気になる事があった。


「新藤さん……」

「ん?」

「由梨さんの親族の方とは絶縁状態という事ですけど、美沙さんは……」


そう。私は美沙さんの事がとても気になっていた。もっと言えば、新藤さんと美沙さんの関係が……