ママと呼ばれたい ~素敵上司の悲しすぎる過去~

あれ? なんか上手く行かない……

まみちゃんの体がぐにゃぐにゃしてて、上手く抱けなかった。


「僕が抱くよ」


すかさず新藤さんはそう言ってくれたけど、


「だ、大丈夫です」


と私は言って頑張ってみた。昨日は麻生さんのお宅からずっと抱っこしても何ともなかったのに、今日はどうした事だろう。思案の末、私はまみちゃんを横抱きした。いわゆる“お姫様抱っこ”だ。ところが、


「ん……その抱き方は女性には辛いんじゃないか?」


と新藤さんから言われてしまった。確かに、腕がすぐに悲鳴を上げてしまいそうだ。


「こうした方が楽だと思うよ」


新藤さんはそう言ってまみちゃんを抱え、私の肩にまみちゃんのアゴが乗る形に体勢を変えてくれて、私の手をまみちゃんのお尻の下に当ててくれた。

なるほど、この抱き方の方がずっと楽だわ。


「子どもって、寝ちゃうと抱きづらいだろ?」

「そうなんですね。初めて知りました」


私が無知過ぎるのかもしれないけど、子どもと接するのって、色々大変なのね……