――うそ、だろ?


体の内側から、熱がじりじりと湧き出てきた。

寒いはずなのに暑い。

心臓口から飛び出ちゃいそうだ。


「や、あの、うそ…ちょ、え」


「なんでゆーちゃんが真っ赤になってるの?」


…どうしよう。
めちゃくちゃ嬉しい。

顔がだらしなくにやけちゃいそうなくらい、嬉しい。


なのに。


「(俺も好きだなんて言えない状況とか…!)」


メイド服きたニョタ化ボインちゃんに、好きだと言われても百瀬が困るだけだ。

わかってる。

わかってるけど、言いたい、どうしても。

俺は第三者を装わなければならないから、第三者のふりして、さりげな〜く伝えてみるか。


「(…待てよ)」


どうせなら、柚邑の時には言えないくらい大胆に言ってみたらどうだろう?

恥ずかしさも何も、ゆーちゃんの皮を被った柚邑には関係ないんだし。



「柚邑くんは、好きな人がいるみたいです」



「…え」

百瀬の目が絶望に歪む。

まてまて、早いぞハニー。



両思いとわかった瞬間に、なんだか調子乗る俺。