妄想世界に屁理屈を。



「妹…?蜜柑ちゃんじゃなくて?」


「えっと、ゆーです!」

百瀬は蜜柑に会ったことがあり、蜜柑も百瀬を知っている。

けど、互いに互いを熟知してる訳ではなく、百瀬は単に蜜柑を『柚邑くんのBL好きの変態妹』としか認識していない。

だから、新妹の登場は浮気の言い訳並みに無理があった。

が。



「本当…そっくり」



だって俺だもの。


幸か不幸か、顔かたちはあんまり変わってない女体化。

胸が大きくなり、骨格が華奢になり、髪が若干伸び――ちょっと顔が可愛らしくなっただけなのだ。

もともと、俺の顔はそこまで男!って感じじゃない。

ショタ顔と言われればさすがにへこむが、紅太などよりかは女顔。

だから妹の蜜柑がとっても可愛いのだ。



まあなんにせよ、女体化なんて夢にも思ってない百瀬は、この顔のおかげで完全に家族だと信じた。



このときだけはアカネに感謝――いや、こいつのせいでこうなったからしない!感謝中断!