「蜜柑ー、着たよー」
「きゃぁあああ♪どうしよ、初夜を迎える夫に妻が「あなた…優しくして」っていう並みに興奮する!!」
「いいから入れ!」
叱咤しつつ中に入れる。
「ほ、ほら…これでいい?」
胸元と太ももが大きくあいた紺のフリルのスカートに、真っ白いエプロン。
紅の背徳感ただようチョーカーにあわせたのか、紅のリボン。
頭には当然、メイドにかかせないカチューシャに……
「にゃんって言って!」
「いやだぁあああっ」
黒の猫耳。
「うぅ…本当にサイズってこれしかなかったの?」
「うん!私のはゆーちゃんに小さいからね!…はあはあはあ…いいなあ、美味しそう…じゅるり」
「よだれ!蜜柑よだれが!」
人生で一番にやけた顔をする我が妹に、なんだか泣きたくなった。


