「あ……あ、」
口をあんぐりとあけて、ドサリと水気を帯びた地面に落ちていく彼女を見る。
その拍子に、首から出ていた血が跳ねて、俺の顔が跳ねた。
「なん、」
なにがおきた。
今、何が、一体。
白髪を血と泥に染めながら、目を開けたまま絶命している鸞さん。
喉を掻き切られたらしく、喉と口元から血を出している。
黄金の瞳が、光を失っていた。
「せ、きりゅ……どうして、どうし、どうして、」
どうしたらいいのかわからず、彼女から目を離さないで問うた。
「どうして、鸞さんを殺したの」
「どうしてと問うか」
なにか鋭利な刃物でやったらしい、その刃物の血を払いながら、にやりと微笑んだ。
「もともと、生きていては行けないのだ」
「うわぁああああああああああっっ」
叫び声、どういうことだと辺りを見回そうとして、いつの間にか目の前に人影があった。
瞬間移動……?
一体何が現れたのかと思えば、長い黒髪を震わせた────驪さん。
「何故!!何故殺したんです!!!!!試験をクリアしたら解放してくれるのではなかったのですか!!!?」
胸ぐらを掴み、その喉元に何かを当てている。
指を当てているだけ、かのようにみえたが。
彼は違う、指から水圧で彼の喉元をかききろうとしている。