「ぼくが本当に今日子ちゃんに弥生ちゃんの力をあげたと思った?」
金髪の方の苑雛くんがしてやったりと言った顔で笑う。
「あげたふりをして、くすねてたの。だってこれは鳳凰の力だからね」
「そ、それはどうなの……」
泥棒じゃん……。
「……まあこの力は玉藻前を復活させるために必要だからね、くすねて持っておいたの。それをもう1人の僕に憑依させたってわけ」
「じゃあ」
口から、何も考えずに感情がこぼれる。
「今日子ちゃんも弥生ちゃんも、村から解放されるの……?」
邪眼がないなら、解放されるのではないのか。
あの力がなければあの子達に価値はない、薬も効かなくなるし、人も殺せなくなる。
なら、いらないのではないのか?
「そうだね。いい感じに手はずを整えてあの子達を普通の女の子として生きていけるようにしておこうとおもうよ」
「……よかったぁ……」
心の底から安堵した。
よかった。あの子達は、どっちかが死んで生き残るなんてならなくて済むんだ。
「なんで言ってくれなかったの……俺本気で悩んだのに」
「言ってどうなる?あの子達は盗られたってなったら怒るだろうし。まあ、いいんだよこんなの。人間が持ったっていいことにならないんだから、だったらもっと有意義に使うよ。
たとえば───合体、とか」
にや、と不敵な笑みで微笑んだ苑雛くんに、黒庵さんとアカネがぎょっとした顔で叫んだ。
「が、合体!?」


